今年の春に友人が『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』という本を読んでそんなことを言い出した時、自分もずっとそう思っていたことに気がついた。
一番好きな場所は本屋だ。
いるだけで心が前向きになるし、ワクワクしてくる。
背表紙を眺めていると色々なアイディアが浮かぶ。
読まれる前の本たちの可能性がひしめいている大きい本屋も、店主の選りすぐりの本が並ぶ小さい本屋も、生活に根ざした町の本屋も好きだ。棚に入り切らなかった本が高く積み上がっている年季の入った古本屋も、小綺麗で良書ばかりをセレクトして買い取る古本屋も、ブックオフも好きだ。
精神衛生のために1日に一度は本屋に行くようにしているし、暇な休日は本屋巡りもする。
(最近はそんな時間なかなかないけれど)
妻と知り合ったのも昔働いていた本屋だ。
東池袋にあったリブロという本屋で、今は薬局になってしまった。
普通は本の日焼けを気にしそうなものだが、あの店なぜかガラス張りで、そのため外からでも本棚がみえた。
だから越してきたばかりの頃、近所を散策していると、遠くからでも本屋であることがわかった。
喫茶店も併設されていて、なんだか洒落てみえた。この店で働きたいと思ったことを覚えている。
とはいえ実態は町の本屋、という感じだった。リブロといったら90年代には人文、アートブック方面で有名だったそうだけど東池袋店は基本的には取次から送られてきた本を並べるだけだった。
それでも、あの店が好きだった。