出産を控え、妻が実家に帰る。

毎日妻のお腹に手をあてて娘の胎動を感じていたので、触れられなくなるのが寂しい。
なにをするでもなく、動き出すのをじっとまつあの時間はとてもいい感じだった。
妊娠が分かった時は喜びよりも恐ろしさが勝っていたように思うが、胎動を感じてからは可愛くて仕方がない。

妻の実家で晩飯をご馳走になる。テレビではパンパシフィック水泳の中継が流れている。
義父母は水泳にそこそこ詳しい。どんな選手かなんとなく把握している。大きい大会は観るのだそうだ。
その後、女子ソフトボールの世界大会にチャンネルが切り替わる。日本とアメリカが決勝戦を戦っている。
延長線で点を取りある接戦で、思わず引き込まれた。日本もアメリカも、ピッチャーの気迫がすごい。
スポーツ観戦など年に何度もしないので新鮮だった。
とはいえ、今年はなんの因果かワールドカップも3回ほどスポーツバーで観ているのだった。
オリンピックに向けて日本人のスポーツ熱が無意識に高まっているのかもしれない。だとしたら怖い。

帰り道、妻に駅まで送ってもらう。不思議な感じだ。
今日からしばらく一人暮らしだな、と思いながら、今までルームシェアばかりだったので人生はじめての一人暮らしだと気がつく。